ほら、どうせあたしなんてさ……
「もういい。渉くんなんて……」
〝嫌いだ〟
その一言が出てこない。
そりゃそうだよね。
だって、好きなんだもん。
なにしても、渉くんが好きなんだもん。
許せなくても、好きなんだもん。
でも、おしまいだよ。
あたしね、そんなに心広くないの。
それに、悠夢が本命だったら、あたしが邪魔者だしね。
あたしは渉くんに近づく。
「今日さ、和葉と帰るって言おうと思ってたんだ。でも、言わなくても分かるよね?もう、渉くんとは帰らないよ。」
あたしは息を吸いながら、渉くんを見る。
「最低っ!!」
あたしはそう叫ぶと、渉くんの頬を打った。
パチンという音が鳴り響く。
周りからも、すごい視線が送られる。
この際、どうだっていい。


