脱☆年下系男子






「やっぱり、似合ってないよね……」



 あたしは涙を拭こうと、手を目元にやる。


 でも、その手は渉くんに掴まれて、あたしは驚いて渉くんを見た。





「しょうく………っ!」


 一瞬、何が何だか分からなかった。



「え、ちょ……」



 あたし、渉くんに抱きしめらてる……?


 一気に熱が上がる。




「な、なにして」


「俺、可愛くないなんて言ってない。似合ってないなんて言ってない」


「で、でも……なんも言ってくれなかったし、あたしさえ見てくれない」


「なんでか分かんないの?」


「わ、分かんないよ……っ」



 渉くんの声がいつもと違ってドキドキする。


 意地悪でもない。

 子供みたいな拗ねた感じでもない。

 明るい可愛い声でもない。



 大人みたい。

 でも、少し強引。


 低くて、かっこいい……声。