「やっぱり、似合ってないよね……」
あたしは涙を拭こうと、手を目元にやる。
でも、その手は渉くんに掴まれて、あたしは驚いて渉くんを見た。
「しょうく………っ!」
一瞬、何が何だか分からなかった。
「え、ちょ……」
あたし、渉くんに抱きしめらてる……?
一気に熱が上がる。
「な、なにして」
「俺、可愛くないなんて言ってない。似合ってないなんて言ってない」
「で、でも……なんも言ってくれなかったし、あたしさえ見てくれない」
「なんでか分かんないの?」
「わ、分かんないよ……っ」
渉くんの声がいつもと違ってドキドキする。
意地悪でもない。
子供みたいな拗ねた感じでもない。
明るい可愛い声でもない。
大人みたい。
でも、少し強引。
低くて、かっこいい……声。


