脱☆年下系男子






「あの、渉くん……っ」


「行こう」


「え?うん……」



 渉くんは顔を背けたまま、あたしの手を掴むと歩き出した。



 なんか、悲しい。


 可愛い、って喜んでくれると思ったのに。

 ううん、そう言ってほしかった。


 やっぱり……似合わないんだ。



 あ、ダメだ。

 泣きそう……。



 あたしは立ち止まった。

 渉くんは驚いたように止まって、あたしを見る。


 あたしは下を向いた。



「ルリちゃん……?」


「……っ」



 あたしの努力が無駄だった気がした。



 あんな悩んで決めた服と、ネックレス。


 今持っているバッグは、見つけた時に運命だと思った。

 デートに持って行くために見つかった気がした。

 だから、持ってきたの。


 慎重に頑張ったメイクも。

 何度も整えた髪型も。