「悠夢?」
「…ん?ほら、彼氏でしょ?出なよ!」
悠夢はすぐにいつもの明るい笑顔に変わって、そう言う。
その変化に少し気になる。
前も、そうだった。
最近、少し元気なさそうだし……。
でも、触れられたくないのかもしれない。
姉なりの気を遣い、スルーすることにした。
「う、うん……」
思ってたより声は震えたんだけど。
それは、渉くんから突然電話がかかって来たっていうこともあるんだけどね。
「じゃ、じゃあね!あたし見たいテレビあったんだぁ♪もういいでしょ?選んだんだし!」
ねぇ、悠夢?
「うん、ありがとう」
「全然!ほーら!早くしないと切れちゃうよ?」
あたしね、お姉ちゃんね?
「じゃあね」
悠夢はまくし立てるように早口でそう言うと、部屋を出て行った。
ドアを見つめながら思う。
悠夢は早口じゃない。
なにか……隠してない?


