脱☆年下系男子





「しょ、渉くん……」


 あたしは下を向いたまま、渉くんに話しかける。



「なーに?ルリちゃん」


「離して……」


「あれー?さっきまで余裕だったじゃん」


「だだだだって……」



 ああヤバい、負けちゃう。

 渉くんの思惑にはまっちゃってる……。


 渉くんがスタスタ歩くもんだから、止まりたいのに止まれない。


 ギュッて強く握られて、あたしの心臓の鼓動が速くなっていく。



「んー?」


 渉くん、なんでそんな余裕なわけ……!?


 あたしは思い切って、顔を上げて渉くんを見る。


「え、」


 渉くんは、いきなりあたしが顔を上げたからか驚いた顔をしていた。



 でも、驚いているのはあたしの方だ。


 だって、渉くんの顔も真っ赤だから。



「渉くん……」


「いきなり顔上げんなよ、バカ……」



 驚いたまま話すと、渉くんは赤い顔をフイッと背けた。


「それは、顔が赤いから?」


 と、意地悪してみると、


「は、はあ!?」


 って言いながら渉くんはこっちを向いた。