「だって?」
守先輩がそう繰り返し聞く。
「だって……分かるから」
下を向いたまま、言う。
分かるんだよね、そうする気持ち。
っていうか、普通だし。
「わか……る?」
「はい……。あたしもそうするし、っていうか、それが普通っていうか……」
「……え?」
「好きな人の恋を応援……だなんてできないですよ。だから、」
だから……
「例え邪魔しようとしたとしても、応援してくれた先輩はすごいんですよ」
あたしがそう言うと、守先輩は一瞬驚いた顔をした後、頬をほんの少し赤らめた。
「ありがとう、畑。でも、悪かったと思ってる。ごめん」
「いいえ!全然いいですよ!」
今度は反対に頭を下げる守先輩に、あたしは首と両手を横にビュンビュン振った。
守先輩は、そんなあたしに微笑むと、
「俺、実を言うと、畑を落とそうとしている時の自分がずっと嫌いだったんだ。」
と言った。
静かに話の続きを聞く。
「自分が悪い奴になっていっててさ、すげぇ苦しかったんだ。」
「だから、今、フラれたのにすごい清々しいんだよ。なんか楽」
そう言ってまた微笑んだ守先輩が、とてもカッコよく見えた。


