「あ、はい。瑠梨ーっ!お客さーんっ」
あたしが呼ばれた。
「はーい!今行くー!」
あたしはその〝お客さん〟を見ずに、急いで準備した。
そして、荷物を入れた鞄を持って和葉にさよならを言うと、ドアの方へと向かった。
「すいません、どなたです、か……」
顔を上げて、やっと見えたヒトは……
「さ、最悪」
今日、守先輩の教室で会った男の先輩だったのだ。
「うっわー、ひどー!」
なんて笑うヒト。
「何か用ですか?」
「ルリちゃんって呼んだら怒られるからさ、今フルネームで呼んだんだー……ってね」
あー、ムカつく。
なんなの、この人。
「で?なんですか?」
「特になにも!」
「………」
帰ろう。
そう思い、さようならと言おうとした時、
「さよ……」
「おい」


