「え」
なんだそれ。
じゃあ今の『あ、』はなんなんですか……!
「ごめんねー、ここにはいないみたいだわ。えーっと……何ちゃん?」
「……畑、瑠梨です」
多少、この先輩にイラつきながらあたしは答えた。
「へぇ……じゃあルリちゃん、きっと守は」
「さようなら」
「え、ちょ……ルリちゃん!」
あたしは先輩に背を向けて歩き出した。
だって、ムカついたんだもん。
あたしのことルリちゃんって呼んでいいのは渉くんだけなんだから……っ!
馴れ馴れしくしないでって話だよ!
子供っぽいんだけど、すごく嫌になったんだよ。
渉くんにしか、そのあだ名は呼ばせない。
……呼んでほしくないよ。
まあ、きっともう会うことはないんだけどね。
「ルリちゃん!待ってってば」


