「ゆう、む……」
「あ、ごめん!そ、そんな名前なんだね。へぇー」
悠夢は、慌てたように早口でそう言った。
「悠夢?もしかして、知ってる人?」
「はぁ?し、知らないし!ってか、どうして知り合ったの?」
悠夢の反応に困惑しながらも、話を振られ、あたしはそのまま流した。
「あのね、あたしの学校にか、彼氏のお兄さんがいて。本当はね、そのお兄さんが好きだったの。まぁ、フラれたんだけどね。そしたら、何故か家に彼氏が来て……」
「へ、へぇー、そうだったんだ。そこからかぁ……」
悠夢は何度か頷きながら聞いていた。
あ、なにもなかったみたい……。
いつもと同じ悠夢を見て、あたしはほっとした。
きっと、さっきのは何かの勘違いだ、多分。
「ってか、もうそろそろ行かないと」
あたしが思いだしてそう言うと、悠夢の顔色が変わった。
「きょ、今日あたし日直だった……」
「あーあ、ヤバいね」
ちょっと意地悪のつもりでそう言うと、悠夢は慌てた表情をした。


