一瞬、二人の動きが止まった。
「……あ」
ヤバい。
めっちゃ噛んだ……。
あたしは恥ずかしくなって、手で口を覆った。
「……ぷっ」
「っ!」
渉くんは噴き出した後、お腹を抱えて笑い出した。
「なっ、そんな笑うなー!」
「え、だ、だって……ルリちゃん、かみすっ……ははは」
は、恥ずかしい……。
あたしは、自分の顔が温かくなっていくのが分かった。
そんなことに、ムカつきながらも喜びを感じている。
それは、渉くんと居るからだろう。
「で、でも……本当に渉くんが、彼氏なの?」
あたしは、鞄で隠していた顔を少し出して、渉くんを見つめた。
渉くんはニコリと意地悪に微笑んで、
「当たり前でしょ」
と言った。


