やっと気付けた。

 やっと言えた。



「え……今、なんて言った?」


 渉くんは、驚いたのか固まってしまった。



「好きって言ったの。……渉くんが好きって」


「う、そ?」


「ホントだよ。あたし、渉くんのこと好きになっちゃった」



 あたしは抱きつく腕に力を込めた。



 どんな理想の人と出会っても、あたしは好きにはならなかっただろう。

 きっと、渉くんしか見れてなかったはず。

 どんなことがあっても渉くんを好きになるんだ、あたしは。


 そう思えるくらい、好きになってる。


 あり得ないくらい、信じられないくらい、好きなんだ。




「ルリちゃん……本当?」


「本当」


「え、ホントのホントに?」


「うん、好き」



 いまいち理解出来ていないのか、渉くんは何度も聞いてくる。


 少し面白いかも……。




「……じゃあ、俺達って両想い?」