愛されるって、こんなにも幸せなんだ。
あたし、本当に渉くんが……
「え、ルリちゃん?なんで泣くの?」
渉くんがあたしを見て、驚いて自分からあたしを離してから肩を掴んだ。
渉くん、渉くん……
どう頑張っても抑えきれないこの気持ちは。
たった二文字で表せられるもので。
でも、その二文字が中々見つけられなかった。
本当はずっと前から…出会った時から気づいていたのかもしれない。
でも、認められるまですごく時間がかかった気がする。
だから、見つけられたから言いたい。
「渉くん……あたし」
気づいた、気付いたんだよ。
あたしは渉くんに抱きついた。
「え!?る、ルリちゃん!?」
「……き」
「え?」
分かったから。やっと分かったから。
ガキで、全然理想じゃない君。
大嫌いで、イメージ最悪な君。
しつこくてウザい君。
悪い所いっぱい見つかる。
でも、嫌いになんてなれない。
いつもあたしを見てくれていて、傍に居てくれていた。
強がってばかりの素直じゃない、バカで子供なあたしをいつも好きでいてくれた。
真っ直ぐで、本当に大切な君。
そんな君だから、こんな気持ちになったの。
そんな君だから、伝えたいの。
「……好き。大好きだよ、渉くん……すっごい好き……!」