脱☆年下系男子





 と、目を瞑りながら叫んでしまった。




 恐る恐る目を開けると、驚いたような顔をする渉くん。


「え、お前、守のこと言ってんの?」


 渉くんは信じられないといった顔だった。




「そうだよ……」


「……ぶはっ、全然守のこと知らないじゃん!」



 「おもしろー!」と笑う渉くんをただポカーンと見つめた。



 ……分かってない?


 あたしが?守先輩のことを?




「なにそれ」


「だって、家ではパン一でくつろいでるし、部屋だって汚いのに。」


「そんなわけ……」



 守先輩がそんなだらしないわけない。


 だって、いつも部室を掃除してたり、部員たちの散らかった服も畳んでたりしてたもん。



「……ルリちゃんってさ、バカ?」


 渉くんはあたしの耳元で囁くように言った。



 微妙にドキドキしたけど……その言葉を聞いて怒りが湧いた。



「なにそれ、ケンカ売ってんの?」