と、目を瞑りながら叫んでしまった。
恐る恐る目を開けると、驚いたような顔をする渉くん。
「え、お前、守のこと言ってんの?」
渉くんは信じられないといった顔だった。
「そうだよ……」
「……ぶはっ、全然守のこと知らないじゃん!」
「おもしろー!」と笑う渉くんをただポカーンと見つめた。
……分かってない?
あたしが?守先輩のことを?
「なにそれ」
「だって、家ではパン一でくつろいでるし、部屋だって汚いのに。」
「そんなわけ……」
守先輩がそんなだらしないわけない。
だって、いつも部室を掃除してたり、部員たちの散らかった服も畳んでたりしてたもん。
「……ルリちゃんってさ、バカ?」
渉くんはあたしの耳元で囁くように言った。
微妙にドキドキしたけど……その言葉を聞いて怒りが湧いた。
「なにそれ、ケンカ売ってんの?」


