「失礼なこと、沢山言って悪かったわ」


「いえ、気にしないでください」


別にそこまで腹は立ってないし。


「また、ここに食べに来てもいい?」


「そんなのもちろんですよ」


私がにっこり笑うと、彼女もにっこり笑った。


「あたし、梨香っていうの。

あなたは?」


「私はミナです」


「ミ、ミナ?

ミナトと似てるのね」


「そうなんです。

それもあって、お互いすぐ覚えちゃったんですよ」


「あー、なるほどね。

じゃあ、ミナ。また来るね」


「はい」


彼女は代金を払うと、手を振ってお店を出て行った。


ゲイ…か。


ちょっぴりビックリはしたけど。


ミナト君が自分から言わない限り、知らないフリをしておこう。


そう思った私だった。