トレモロホリディ

「ミナちゃん。俺ちょっとお腹空いちゃったなー」


レジに並んでいる時、ミナト君が突然振り返って言った。


のんびり買い物をしていたせいか、気がつけばお昼を回っていた。


「ミナト君って燃費悪いよね。

なんかいつもお腹が空いてるイメージだ」


「えー!何それっ。

だって俺おやつとか食べないからさ、ご飯は三度きっちり食べたいんだよなあ」


なるほど。


間食しないから、こんなにスリムなんだね。


見習わないといけないなあ。


私はちょっと、ふっくらしてるから。


「何が食べたい?」


「そうだなあ。

あっ、この店の隣に中華料理屋があったな。

そこでもいい?」


「うん、いいよ」


中華料理と聞いて、助かったと思った。


イタリアンだのお洒落なお店には入りたくない。


きっとそういう店には女性客が多くて、またジロジロ見られるに違いないもの。


お店を出ると、私とミナト君は早速中華料理店に入った。


入るとお昼時ということもあって、スーツを着たサラリーマンや作業着を着た男性が多かった。


良かった。


これなら落ち着いて食べられる。