トレモロホリディ

15分ほどバスに揺られて、私達は家具量販店の近くのバス停に到着した。


この辺りは私が住んでいるアパートの近くよりは随分賑やかだ。


たわいもない会話をしながら歩いていたら、あっと言う間にお店に到着していた。


店内に入るとすぐに大きなカートを運んで来るミナト君。


「私カーテンのコーナーにいるから、あとで合流する?」


私の提案に、ミナト君がなぜか顔をしかめる。


「えー、一緒に見ちゃダメ?」


「はい?」


「言ったでしょ?

俺、一人で買い物って苦手なんだ。

お願い。

一緒に回りたいー」


一人で買い物出来ないって…。


なんちゅう手のかかる王子様なんだ!