社長は私と湊君に、何度も何度もありがとうと言ってくださった。


会社の人が絵を部屋から運び出した時、ちょっぴり寂しくなってしまったけれど。


久遠社長なら、きっと大切に飾ってくださるに違いない。


そう思った。




そして、翌週。


社長から湊君の口座に振り込まれた額は、


湊君のバーの1ヶ月分のお給料を軽く上回っていて。


それには私も湊君もビックリだった。




長い間、睡眠時間を削っていた湊君は、数日ゆっくり休んでいたけれど。


休日の夜になると、寝室からサスケを追い出して、二人で熱い夜を過ごした。


絵を描いている間、私達はずっと禁欲生活だったので、


ちょっと盛り上がり過ぎてしまった。


あまりに長いので、サスケはガリガリと何度も寝室のドアに爪を立てていた。


ごめんね、サスケ。