トレモロホリディ

バス停まではアパートから徒歩10分くらい。


便数はわりと多くて、ほとんど待つことなくバスはやって来た。


二人してバスに乗り込むと、私は後ろの方の座席に腰掛けた。


そんな私の隣に、なんの躊躇もなく座るミナト君。


バスが揺れるたびに、肩が軽く触れ合うのに。


ミナト君はそんなの全然気にならない様子だ。


ボーイズバーって基本女の子を相手にしているお店だって、穂波さんが言ってたっけ。


だからミナト君は、女の子と接するのに慣れてるんだろうな。


物腰も柔らかいし、話しやすいしね。


私にも大学時代の男友達が数人いるにはいるけど。


こんなにイケメンで緊張するような友達は、さすがにいないな。