「澤井さん。仕事は慣れてきた?」


「はい。そうですね。

少しずつ慣れてきました」


「お客様がね、感じの良い子が入ったねって褒めてくださったよ」


にこっと殺人級の笑みをこぼす社長。


ひぃぃ~。


朝からそんな顔をされると、心臓に悪いと思うのですが。


「何人か面接したけど。

澤井さんを面接した時点で、もう澤井さんにしようって決めてたんだ」


「え…?」


う、うそっ!


本当に?


「実は人事部長がね、キミのことをすごく推してたんだ。

彼女がそう言うくらいだから、これは期待出来るぞって思って面接したら。

僕も、この人しかいないなって思ったんだ」


やだ…。


そんなこと言われたら、嬉しすぎて涙が出ちゃう。


「人事部長は、人を見る目があるからね」


「すごく嬉しいです。

私、人事部長に憧れてるんです。

ものすごく綺麗なのに気さくで優しくて。

大好きなんです」


人事部長のお役に立てるなら、どんな仕事も頑張っちゃうって思えるくらい。


「そうなんだ。

それ聞いたら、彼女もきっと喜ぶよ」


いや~ん、どうしよう。


顔が緩んじゃう~。


「それともう一つね。

キミを採用した理由が、僕にはあるんだ」


「え…?」


それって。


一体何なんだろう?