トレモロホリディ

ギシッギシッとベッドが軋む音が、狭いワンルームに響き渡る。


互いの呼吸は乱れに乱れて、私の息も絶え絶えになっていた。


しばらくすると、湊君が腕をグッと伸ばして身体を起こし始めた。


「だ、だめっ。離れちゃやだっ」


「え…?」


動きはそのままに、私を見つめる湊君。


「離れると怖いの。

お願い。離れないで」


元彼はいつだって、顔が遠くにあって。


それが、すごくすごく不安だった。


肌が離れるのはいやなの。


だから…。


「ご、ごめんね…」


そう言うと湊君は私をぎゅっと抱きしめて、優しいキスをしてくれた。