トレモロホリディ

小刻みなリップ音が、狭い廊下に響き渡る。


その音が、なんだかすごく恥ずかしい。


さっきみたいに激しくないけど、


湊君のキスは断続的に続いていく。


その可愛いキスが、次第に場所を移動して…。


私の顎を突き上げるように、首筋に唇を落としていく湊君。


ど、どうしよう。


なんだか頭が、真っ白になってくる。


思わず湊君の肩にぎゅっと掴まったその時だった。


「ミャ~」


すぐ耳元で聞こえる甘えた声に、閉じていた目を開けると。


湊君の首に、スリスリと顔をすり寄せる猫ちゃんの姿が見えた。


湊君はと言うと、


私の首に唇を押し当てたまま、目だけで猫ちゃんの動きを追っていた。