トレモロホリディ

あぁ…。


ホントにもう


キミって人は…。


なんて可愛いんだろう。


すっかり


メロメロにされてしまう。


こんなに可愛い子が目の前にいたのに


俺は一体


何を見ていたんだろう。


この猫と一緒にいるってことが


何よりのキミの答えだよね?


「美菜ちゃん」


「はい…」


「悪いけど、

コイツの名前は変えてね」


俺は、俺の足に未だにまとわりついている猫を指差した。


「え、どうして…?」


「そんなの当たり前でしょ?

同じ部屋に

三人も“ミナ”がいたら

呼ぶ時紛らわしいでしょ?」


俺の言葉に美菜ちゃんが、目をパチパチさせる。


「同じ…部屋?」


俺はうんと頷いた。