俺の部屋の左隣。


美菜ちゃんの部屋のドアの前に立つ。


こっち側の通路に足を踏み入れるのは、すごく久しぶりだ。


このドアの向こうに、美菜ちゃんがいる。


もう半月以上も会っていない美菜ちゃんが…。


ドクドクと心臓の鼓動が速くなる。


落ち着け。


落ち着いて、俺。


大丈夫。


言える。


きっと言えるから。


震える指をそっと伸ばして


ピンポーンとインターホンを鳴らした。


しばらく待っていると


ガチャンと扉が開き、


サーモンピンクのブラウスと黒のフレアスカートを履いた美菜ちゃんが、


ドアの隙間から


ちょこんと顔を出した。