トレモロホリディ

ミナト君と話していたら、いつの間にか猫ちゃんが私の太ももの上で眠っていた。


「あー、そいつすっかり眠っちゃったね」


「うん」


安心しきってて、すごく可愛い。


「ミナちゃんって、こっちの壁にベッドを置いてるんだね」


ミナト君が私のベッドを指差して言った。


特に理由はないけど、私は部屋に入って右側の壁にベッドを置いている。


「俺は反対側に置いてるんだ。

だから壁を挟んで、すぐ隣で寝てるってことになるね」


「え…?」


うそ、やだ。


なんでそんなこと言うの?


なんか、すごい恥ずかしい。


「ここのアパートの壁って結構薄いよね。
私うるさくない?大丈夫かな?」


まさかイビキとか、かいてないよね?


私の言葉にミナト君がクスッと笑う。


「大丈夫だよ。ミナちゃんの部屋からは何も聞こえないよ」


「ホントにー?」


気を遣って、嘘ついてない?


「ホントだって」


う~。


ベッドの位置を聞いただけで、こんなに恥ずかしいなんて。


それは多分、ミナト君がイケメン過ぎるからだ。