トレモロホリディ

その時だった。


俺のスマホが突然鳴った。


その大きな音に、ドキッと心臓が跳ね上がる。


キャビネットに腕を伸ばしてスマホを手に取ると、


着信の相手は…


めぐるだった。


俺は意を決して


スマホの通話ボタンを押した。


「はい…」


『湊?』


「うん…」


『やっと出てくれたぁ。

ずっと話がしたかったんだよー。

この前のこと謝ろうと思って。

本当にごめんね…。

私、湊しかいないから…。

口うるさいなんて全然思ってないから。

だから許してよ。

今、休みでしょう?

私がそっちに行ってもいい?』


一方的に早口で話すめぐる。


俺はぎゅっと目を閉じた。



「めぐる…」



『なあに?』



拳にぐっと力を入れて。



俺はゆっくり深呼吸をした。




「もう…




別れよう」