「湊さん、大丈夫ですか?

顔色が…あんま良くないような…」


「え…」


「どうした?湊。体調悪い?」


「ど、どうかな…。

ちょっとフラフラするけど…」


「風邪?」


壮真君が俺の近くに来て、おでこに触れる。


「う~ん、熱はなさそうだけど…。大丈夫か?」


「大丈夫…と思う。

ちょっとだけ、外の空気吸って来ていいかな?」


「うん、もちろん」


俺はカウンターから出ると、心配そうに俺を見つめるサンちゃんに心配ないよと目配せして、店の外へと出た。


エレベーターで一階に降り、ビルの入口までとぼとぼと歩く。


人の邪魔にならない場所に、ゆっくりとしゃがみ込むと。


膝を抱えて、その中に顔を埋めた。