トレモロホリディ

「何時の電車で帰る?」


ボーッとしていたら、めぐるが急に口を開いた。


「ん?

そうだなあ。

遅くても19時半くらいには…」


「じゃあちょっと早いけど、夕飯にしようか」


「そうだね」


帰ってから食べる時間もなさそうだしな。


「私が作ってあげる」


え…?


「作れるの?」


「やだっ、失礼ねぇ。

これでもちゃんと自炊してるんだよー。

ずっと貧乏だったからね、自炊して節約しないと生きていけなかったの。

何が食べたい?

あー、でも今、材料があんまりないな。

パスタとかでもいい?」


「うん、いいよ」


「じゃあ、待ってて。

作ってくる」


そう言ってめぐるは、扉を開けてリビングへと出て行った。


パスタ…かぁ。


昼がファーストフードだったから、


夜は和食が食べたかったな。


って作ってくれるのに、文句を言っちゃいけない。


近所の定食屋に行くとかでもいいのにな。


でも、めぐるはそういうところへ行くのは、いやがるだろうな。


さっきから、ガチャンガチャンと台所からすごい音が聞こえる。


だ、大丈夫なんだろうか。


めぐるの手料理って、初めて食べる気がする。


俺もあんまり作れないけど、めぐるよりはマシだったから。


めぐるの部屋で会う時は、決まって俺が作ってたけど。


もうあれから随分経つし、


作れるようになったのかもしれないな。