近所にある弁当屋に行った帰り、俺はチラッと美菜ちゃんの部屋の窓を見てみた。


でも、まだ帰ってないみたいだった。


部屋に戻ると、ひとりで弁当を頬張った。


こういう弁当ってさ、揚げ物ばっかりで野菜がほとんどないんだよな。


たまに食うのはいいんだけど、ずっと続くと飽きて来るんだ。


美菜ちゃんの作ったご飯、うまかったな…。


丁寧にとったダシで作ってくれる料理は、どれも絶品だった。


毎晩、お腹いっぱい食べさせてくれるんだ。


考えてみたら俺…、随分美菜ちゃんに甘えてきた気がする。


でも、もう…


そんなこと出来ないよね。


だって俺…


めぐるとやり直すって決めちゃったし。



ロールキャベツ



食べたかったな…。



多分あれが、



俺が食べることの出来る



美菜ちゃんの最後の手料理だったんだ…。