トレモロホリディ

昨日の夜。


美菜ちゃんは、俺を迎えに来なかった。


連日仕事を休んでいたから、昨日もいないと思って、一人でバイト先に行ってしまったのかもしれないよね。


俺の誕生日を、お祝いしてくれる約束。


つい…、忘れてしまったんだ…。


あまりに細くなっためぐるが心配で…。


高い熱を出して、苦しそうにしているめぐるが放っておけなくて。


そればかりが頭にあって。


お店に連絡する以外のこと、


すっかり忘れてたんだ。


ごめんねって、謝らなくちゃ…。


そう思った俺は、ほなみに足を運んだ。


「いらっしゃいませー」


いつもの元気な声で、穂波さんが迎えてくれる。


「おはようございます」


「湊君。

今日は一人なのねー」


「あ、はい」


あまりお客さんのいない店内に足を踏み入れると、俺はカウンター席に座った。


「何にする?朝定食?」


「はい」


「ちょっと待っててねー」


テーブルの上に水を置いた穂波さんが、厨房へと入って行く。


俺はキョロキョロと店内を見渡した。


あれ…?


美菜ちゃんがいない。


厨房には穂波さんの姿しか見えないし。


トイレとかかな?