トレモロホリディ

湊君…。


まさか無断欠勤…?


いや。


湊君に限って、それはないはず。


何か事情があるんだ。


お店に来れない理由が…。


「壮真君…」


「ん?」


「湊君に…何があったの…?

どうして戻って来れないの…?」


私の問いに、壮真君の顔が強張る。


「え…。もしかして、美菜ちゃん。知ってるの?

湊が、めぐるちゃんに会いに行ったこと」


私がコクリ頷くと、壮真君はガクッと力が抜けたようにカウンターにもたれかかった。


「マジ、参ったよ。

今日だけは何があっても来て欲しかった」


ふぅとため息をつく壮真君。


「壮真君。

湊君は、お店が始まるまでには戻るって言ってたよ。

どうして戻れなくなっちゃったの?

事故で電車が動かないとか?」


そうであって欲しい。


何かトラブルがあったんだって…。


そう言って欲しい。


「う…ん。

実はさ。

熱が出たのは湊じゃなくて。

めぐるちゃんなんだ…」


「え…?」


「一応病院には連れて行ったらしいんだけどね。

まだ熱が高いらしくて…。

めぐるちゃんとルームシェアしてるタレント仲間も、たまたま今夜は留守とかで。

アイツ、何度も謝ってたよ。

大人なんだし、熱くらい大丈夫だろ?って言ったんだけどさ。

アイツの性格からして、どうしても放っておけないみたいで…」


湊君…。