トレモロホリディ

熱…?


うそだ。


だって…。


湊君、部屋に帰ってないもの。


もし本当に熱があるなら、部屋で寝ているはずでしょう?


壮真君、嘘をついてるんだ…。


「主役がいないんじゃ、いてもしょうがないじゃーん」


「マジで、ごめんっ。

お祝いに来てくれた子にはさ、0時過ぎたらケーキを分けようと思ってるんだ。

良かったらそれまでいてよー」


「うーん。

あたし、ケーキはいい。

これ飲んだら、帰るわー」


「えー、マジでぇ?」


「プレゼントも用意してたんだけど、直接渡したいし、また後日に持って来るわー」


そう言うと梨香ちゃんは、あっという間にお酒を飲み干してしまった。


「じゃあ、美菜。またね」


「あ、うん。また。お酒ご馳走様でした」


私がそう言うと、梨香ちゃんはにっこり笑って、お店を出て行ってしまった。


壮真君はなんとも複雑そうな顔をした後、梨香ちゃんが座っていた椅子に座っていいよと促してくれた。