トレモロホリディ

「あの…。

誕生日のお祝い…。

準備してて、いいんだよね…?」


約束…したもんね。


すごく嬉しそうだったし。


忘れてない、よね…?


「もちろんだよ。

ロールキャベツ、楽しみにしてる」


にっこり笑う湊君に、ホッと息が漏れた。


良かった…。


忘れてなかったんだね。


だけど…。


もし


今の湊君と、


めぐるちゃんに会った後の湊君が、


別人みたいになっていたらどうしよう。


そうしたら


誕生日を祝うどころか、



もうこの部屋には…、




二度と入れないんじゃないのかな…。