トレモロホリディ

たまらず目を伏せた。


自分の夢のためとはいえ、好きな人を一年半も放っておくなんて。


私には全然わからない。


それで会えないって言われたら、泣くなんてズルイ。


でも…。


それでも湊君は…。



「会いに…行くの…?」



思わず聞いた私に、湊君は切なそうな表情を向けた。



「ん…。


一回だけ


会ってみようかなって…」



「一回?」



「うん…」



一回…。



一回だけ?



湊君はそう言うけど。



一度会っちゃったら。



顔を見ちゃったら。



抱きしめたりしたら。



そうしたらもう…。