トレモロホリディ

「うん…。

うん…。

そうなんだ…。

へぇ…。

大変だったね…」


湊君はただ、静かに相づちを打っているようだ。


めぐるちゃんが、沢山話しているのだろう。


湊君だって、話したいことや聞きたいことが山のようにあるだろうに…。


離れて、一年半くらいは経つのかな?


その一年半って、彼女にとってはあっと言う間だったのかもしれないけれど。


湊君にとっては、長くてつらい期間だったんだ。


この二人…。


随分、温度差があるかもしれない…。





しばらく長い相づちが続いた後、


湊君が急に黙り込んでしまった。


どうしたんだろう。


一体、何を言われたの…?


ドクドクと心臓の鼓動が鳴り始めて、


静かなワンルームに響いているんじゃないかって気がしてしまう。



湊君、どうして黙ってるの?



なんて言われたの…?




「めぐる…」



ぽつり、彼女の名前を呼ぶ彼。



湊君がその名前を口にするたび、



胸がチクンと痛いのは、どうしてなのかな…。





「俺、







会えない…」