トレモロホリディ

「ちょっとね、ビックリしただけなんだ。

久しぶりに姿を見ちゃったから。

ただ、

それだけなんだ…」


もう随分、時間が経つんだもんね。


めぐるちゃんがいなくなってから。


「元気そうだったから、安心したよ。

仕事ももらえてさ。

良かった…」


「うん…。そうだね…」


本当にすごいと思う。


自分のやりたい仕事を、つかみ取ったんだから。


「もうこれで、めぐるの心配をしなくていいんだね。

アイツはちゃんと夢を叶えたし。

俺だって、絵を描き始めたしね。

お互い、それぞれの道を進み始めたんだ。

なんか、スッキリしたよ」



そう言って笑う湊君が




なんだか切なかった。