トレモロホリディ

「なんか今日、天気悪いわねぇ。

雨でも降るのかしら?」


穂波さんが窓の外を見て言った。


「あー、ホントですね。

この雲の色は、怪しい…」


空がねずみ色にどんよりしていて、確かに雨の気配だ。


「降水確率は何%かしらね?

ちょっと観てみようか」


そう言って穂波さんは、カウンターに置いてあるテレビのリモコンに手を伸ばした。


穂波さんはジャズや洋楽が大好きだから、基本的に店内には音楽が流れているのだけど。


お客さんの要望もあったりするので、定食屋らしく、一応店内の高い場所にテレビが備え付けてあるのだ。


電源が入り、テレビ画面に映像が映し出される。


「どっかのチャンネルで、天気予報やってないかなー」


CMが流れていたので、穂波さんがチャンネルを替えようとしたその時。


「穂波さん、待って!」


湊君が急に立ち上がった。