しばらく優しく触れ合った後、


湊君はゆっくり唇を離した。


私はドキドキが止まらなくて、


なんだか閉じた目を開けられない。


そんな私を無言で抱きしめる湊君。


私も湊君の背中に両腕を回した。


呼吸が乱れ、肩で息をしている私と同様に、


湊君の息遣いも、なんだか速くなっていた。



お互い何も言わず、



ただぎゅっと抱きしめ合った。



聞きたいことは山ほどあって。



伝えたい思いも、喉のすぐそこまで来ているけど。



なんだか何も言えなくて。



そうしているうちに



意識がどんどん遠退いていって。



そのまま



ふたりとも眠ってしまっていた。