トレモロホリディ

思わず二人の声がハモってしまった。


「さ、三万円だって…」


「み、湊君…。

昨日、1000円とか、言ってなかったっけ…」


「言った…」


「ははは…。

すごいね…」


「うん…。


俺、充分だよ。


ホント」


「じゃ、じゃあその金額で、いきますか?」


「うん。


決まり…だね」


私達は、しばらく壁にもたれかかったまま呆然としていた。


少し、放心状態だったかもしれない。


何分くらいそうしていたのかわからないけれど。


気がつけば湊君は、私の隣でお礼のメッセージを打っていた。


その姿を、私は微笑ましく思いながら、じっと見続けていた。