トレモロホリディ

そう言われると、なんだかまた胸が苦しくなった。


さっきから私の心臓、やたらと忙しい…。


隣に住んでいても、そこまで生活パターンが逆になったら…。


もう一緒にご飯を食べたり、一緒に寝たりなんてことが出来なくなっちゃう。


会えるとしても、せいぜい日曜日くらいだよね…。


その貴重な休みに、湊君は私と会ってくれるのかな?


夢を叶えたいとは思うけど。


湊君と会えなくなるのは…。


イヤだよ…。


「あ、なんかメッセージが来てる」


すっかりシュンとしていたら、湊君がタブレットを見ながら呟いた。


その声にハッと顔を上げる。


「あ…。返信だ。

買いたいって人からの…」


「えっ、うそっ」


私は慌てて湊君のそばへと駆け寄った。


「ひ、開いてみるね…」


「う、うん…」


湊君が恐る恐るメッセージを開く。


二人でそのメッセージを読み始めた。


そこにはメッセージのお礼と、湊君の絵がどれだけ好きかという熱い思いが込められていた。



値段を付けて欲しいと言われたことには正直驚いたし、これが適正な価格かどうかもわからないけど、とりあえず提示します、と書かれていた。





そこに書かれた金額は…。







「「さ、さ、三万円~~~?」」