トレモロホリディ

「ねぇ、美菜ちゃん…」



「ん?」



「もし、その会社に採用されたらさ。


このアパート、


引き払うの?」



湊君が遠くを見るような瞳で、ゆっくりと言った。



「もっと、


通勤に便利な場所へ


引っ越しちゃうのかな?」



ドクン、と。



心臓が大きく波打った。



言われてみたらそうだ…。



私…、



面接を受けることに必死になっていたけど。



採用された先のことは、何にも考えていなかった…。



「美菜ちゃんが引っ越したら。



俺…。



寂しくなるな…」