トレモロホリディ

「湊君、返信あった?」


寝る準備が出来た私は、いつものように湊君の部屋に来ていた。


「ううん。まだない。

こちらから値段を聞くなんて、失礼だったのかなあ…」


「そんなことないよ。

まだメッセージを見てないだけかもしれないし」


「そう、だよね…」


ふぅと息を吐く湊君。


買いたいって人が現れたんだものね。


落ち着かなくて当然だよね。


私だって、今日は仕事中ずっと興奮していたもの。


「あ、なんかごめんね。

俺のことばっかり。

美菜ちゃんの方はどう?

就職活動は順調?」


湊君は今、ベッドに座って、壁に背をもたれている。


「うん。

それがね、二次面接に来てくれって言ってくれてる会社が一社あるの。

若い人が多くてね、なんだか活気のある会社なの」


「へぇぇ、すごいじゃん。

採用されるといいねー」


満面の笑みを浮かべる湊君に、私はうんと頷いた。