トレモロホリディ

想像もしていなかった言葉に、大きく目を見開いた。


「う、うそぉっ!

本当にーー?

すごーーーい!

すごいね!!」


「ど、どうしたらいい?

どうしたらいいのかな?」


二人で足をバタバタとさせる。


私も湊君もおかしなテンションになっていた。


「い、いくらで売ってって…?」


私の問いに、湊君がピタリと動きを止める。


「それがさ。

そちらの提示する値段に従うって言うんだ。

そんなのさ、俺どうやって値段設定したらいいのかさっぱり…」


こちらの値段に従うって…。


そ、それはすごいな…。


「私ね、他の人の作品をいくつか見たんだけど。

みんな意外に、結構高い値段をつけてるんだよね…」


「高いって…、万単位とか?」


「うん。高いのは何十万とかね」


「いーっ。なんだよ、それー」


芸術の金額設定って、よくわからないよね…。


「湊君はいくらで譲りたい?」


「えっ、俺?

俺は別にタダでもいいんだけど。

もし絶対に値段をつけないといけないんだったら。

う~ん…。

1000円とか?」


思わずガクッと膝の力が抜けてしまった。


「ちょっ、それはいくらなんでも安過ぎじゃない?

街で似顔絵を描いてもらうのだって、もう少しするでしょう?」


「あ、あぁ…。

そか。

じゃあ、三千円くらい…?」


う、うーん…。