トレモロホリディ

「本当はね、ちょっと抵抗あったんだ。

俺の描いた絵なんて、どこかで見たような、誰でも描けるような、簡単に埋もれてしまうものだと思ってたから。

だから不特定多数の人に見られるなんて、内心怖かったし、恥ずかしいし。

なんだか今日は仕事してても全然落ち着かなかったんだ…」


そう話す湊君を見ながら、私もゴロンと横になった。


「でもね、さっきの評価と感想を見ていたら、なんか涙が出ちゃった。

俺の作品に反応してくれる人がいることが、こんなに嬉しいことだなんて思わなかった。

それ読んでたらさ、もっと描きたいって思ったよ。

ますます描くのが、好きになれる気がする」


「そう…」


湊君が嬉しそうに話してくれるから、私も嬉しくなっちゃうな。


良かった。


私、少しは湊君の役に立てたのかな?