トレモロホリディ

「そんな…。

迷惑なんかじゃないよ。

ただね、今までそんなこと一度も考えたことがなかったから。

別にね、欲しいって思う人にはあげたってかまわないよ?

こんな素人が描いた絵で良ければ…」


「え…。本当に?」


そ、それじゃあ。


「まぁ、欲しいって人がいるかどうかも疑問だけどね」


ちょっと苦笑いの湊君。


「そんなの試してみないとわからないでしょう?

ねぇ、早速アップしない?

私ね、今夜は仕事が休みだし、湊君が仕事に行っている間にやっておくよ。

どの絵にする?」


私が必死になっているから、湊君がクスッと笑った。


「んー。どれがいいかな?」


そう言って湊君がスケッチブックを開く。


「どれも素敵だけどー。

これは?」


「そうだね。いいかもしれない」


そんなことをワイワイ言いながら、私と湊君はネット上に載せる絵を二人で選んだのだった。