トレモロホリディ

「ねぇ。

試しに2、3枚。

ネット上に公開してみない?」


「えぇっ!」


湊君が、綺麗な目をまん丸にさせる。


「人からの感想とか聞いてみたくない?」


「いやー…、どうだろう」


「誰にも見せたくない?

誰の目にも触れず、大事に保管しておく方がいい?」


「え…」


「あんなに生き生きした作品なのに、キャビネットの中に眠らせておくのは、なんだかもったいない気がするんだけどな…」


私の言葉に、うーんと湊君が首を傾げる。


その姿にハッと我に返った。


「ご、ごめんね。

こんな事言われるの、迷惑だし、余計なお世話だよね。

湊君の大切な作品だもんね。

ましてや誰かの手に渡るのは、絶対イヤだよね…」


私ったら、何を一人で熱くなってるんだろう。


恥ずかしい…。