トレモロホリディ

「もっと沢山の人に見てもらえたらいいのに…」


「ん?」


「欲しいって言う人、いるんじゃないかなあ。

私ね、雑貨屋さんでよくポストカードを買うんだけど、湊君の絵なら、お店にあるカードに全く引けを取らないよ」


「えー。それは褒め過ぎだよ~。

紙コースターに描いた絵くらいならね、お客さんが持って帰ってはくれるけど…」


「それもとっても素敵なことだけど。

今まで描いたスケッチブックの絵とか。

誰かに見てもらったことある?」


「ん~?

特に、見せたことはないかなあ…」


「見てもらったらいいのに。

たとえば、そうだなあ…。

インターネット上に作品をアップして、不特定多数の人に見てもらうとか」


私の提案に、ちょっとビックリした顔をする湊君。


「俺の絵なんか、見てくれる人いるかなー」


湊君は、なんだか自信なさそうだ。


「いるよー。

見てくれる人は、絶対いる!」


あんなに素敵な絵だもの。


私みたいに好きって思う人は、大勢いるはず。