トレモロホリディ

「美菜ちゃん。

どうしてそうマイナスに考える?」


壮真君が呆れたように言った。


「さっきも言っただろ?

良い傾向だって。

湊だって、美菜ちゃんを好きになっていく可能性は大いにあるんだ。

恋人になれる日も、そう遠くないかもしれねーじゃん」


「こ、ここ恋人っ?」


思わず声が裏返ってしまう。


私と湊君が?


そ、そんなの全く想像出来ない…。


「で、でも。

やっぱり彼女が帰って来ちゃったりとか。


もしくは、それ以前にフラれちゃったら…。


私、どうしたらいいんでしょうか…」


なんか、ものすごく怖い。


どうしてだろう。


こんなこと考えるの、初めてだ…。


「うーん。

その時は…」


壮真君がスッと腕組みをして考え込んでいる。