トレモロホリディ

「ち、違うんです、穂波さん。

壮真君と湊君のことについて話していて。

湊君のことを思い出していたら、なぜかこうなってたんです」


私の言葉に、穂波さんが「ん?」と目を丸くする。


「湊君のことを考えていたら、そうなったの?」


「はい。

理由はよくわからないんですけど…」


どうして泣いちゃったのかな。


会えなくなったら…なんて、そんな悲しい事を想像しちゃったから?


ふと二人の方を見ると、穂波さんと壮真君が含み笑いで顔を見合わせていた。


ん?


私、なんか変な事言った?


「ねぇ、美菜ちゃん。それってさ…」


「はい?」



「湊君を



好きってことなんじゃない…?」