トレモロホリディ

優しく抱きしめていると、湊君がぎゅーっと私に抱きついて来た。


私も負けじと、ぎゅっと抱きしめてみる。


なんだろうな。


こうしていると、やけに安心してしまう。


湊君も、きっと同じに違いないんだ。


「美菜ちゃん。

ありがと…。

ちょっと。

ううん。

かなり元気になった」


ちょっと鼻声の湊君。


泣いているのかもしれない。


「私こそ、ありがとう。

嬉しかった。

ほなみで働いてる私のこと。

あんなふうに言ってくれて…」


すっかり自信がなくなっていたのは、私だって一緒なんだ。


だから本当に、湊君の言葉に励まされたんだよ。