トレモロホリディ

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「美菜ちゃん、寝不足?

コーヒー淹れたから、こっちおいでよ」


「う…ん」


結局、私は2、3時間くらいしか眠れなかったようで。


湊君の筋トレの音で、目が覚めた。


ごけ茶色の美しいフォルムのチェアに腰を下ろすと、シンプルな白いテーブルの上に置かれたコーヒーの良い香りが私の鼻をくすぐった。


しばらくボケーッと一点を見つめていると、湊君がケーキの乗ったお皿を持って来てくれた。


そのお皿に乗っていたのは、ブリュレの上にフルーツが沢山乗った可愛らしいケーキ。


「わぁ、美味しそう」


ケーキを目にした途端、ゲンキンなもので、さっきまでの眠気が一気に吹っ飛んだ。


「でしょ~?
なんとなく美菜ちゃん、こういうの好きかなあと思って」


湊君って、私の好みがよくわかるなと感心してしまう。


「湊君、甘いの大丈夫なの?」


普段、一切間食しないって言ってたけど。


「ホントはね。

甘いもの、結構好きだったりするんだ。

だけど、わざわざ自分だけのために買ってまでは食べないんだ~」


へぇ…。


実は甘いものが好きだったのか。


全然食べないのかと思ってたよ。